シャローム!
通読は続いていますでしょうか?今週はペテロの手紙、ヨハネの手紙、ユダの手紙、そして黙示録の通読となります。
その中でも、今日はヨハネの手紙 第一・第二・第三にスポットを当てたいと思います。これらは三通とも短い手紙ですが、晩年の使徒ヨハネが教会に宛てた、温かく、そして深い言葉が詰まっています。
これらの手紙は三通とも、イエス様の弟子であった使徒ヨハネによるものとされています。紀元1世紀の終わり頃、年老いたヨハネがエペソを拠点に、アジア地方の諸教会を見守っていた時期に書かれたと考えられています。
当時の教会には、「神の御子が本当に人間の肉体をとって来られたはずがない」という教えを広める人々が現れていました。ヨハネは、こうした教えに揺さぶられていた信徒たちに向けて、筆を執ったのです。
三通の手紙は、それぞれ次のような性格を持っています。
第一の手紙:諸教会に向けて、真理と愛の中を歩むよう語った手紙
第二の手紙:ある教会に向けて、偽りの教えへの警戒を促した手紙
第三の手紙:ガイオという信徒に宛てた、もてなしを称える個人的な手紙
それぞれの手紙の詳細を見ていきましょう。
ヨハネの手紙 第一「神は愛です」
手紙はこう始まります。
「初めからあったもの、私たちが聞いたもの、自分の目で見たもの、じっと見つめ、自分の手でさわったもの、すなわち、いのちのことばについて」(1:1)
「聞いた、見た、さわった」とは、ヨハネは目撃者として、イエス様が確かに肉体を持って私たちの間に生きられたお方であることを証言しています。
この手紙の目的は、次の言葉に表れています。
「あなたがたが永遠のいのちを持っていることを、よくわかるためです」(5:13)
すでに信じている人々が、救いの確信をしっかり持てるようにと、ヨハネは語りかけています。
そしてこの手紙には、聖書の中でも特に愛されている言葉がいくつも記されています。
「もし、私たちが自分の罪を言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます」(1:9)
「神は愛です。愛のうちにいる者は神のうちにおり、神もその人のうちにおられます」(4:16)
「愛には恐れがありません。全き愛は恐れを締め出します」(4:18)
大贖罪日とのつながり
先日、大贖罪日について共に学びましたが、この手紙にはそれと深くつながる言葉があります。
「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです」(4:10)
「なだめの供え物」はギリシャ語で ἱλασμός(ヒラスモス)。大贖罪日に血が注がれた「贖いの蓋」と同じ語根を持つ言葉です。
ヨハネにとって、愛とは感情や好意ではありませんでした。十字架においてイエス様がご自身をささげてくださったこと——それこそが愛の定義だったのです。
ヨハネの手紙 第二 「愛は真理を曖昧にしない」
全13節の短い手紙です。ヨハネは「互いに愛し合いましょう」と勧めながら、同時にこう警告します。
「この教えを持たずにあなたがたのところに来る者は、家に受け入れてはいけません」(10節)
一見、厳しく聞こえるかもしれません。しかしヨハネが伝えたかったのは、愛とは何でも受け入れることではないということです。
真理のない愛は感傷になり、愛のない真理は冷たい裁きになります。ヨハネは、その両方を手放さないよう求めています。
ヨハネの手紙 第三 「真理のための同労者」
新約聖書の中で最も短い書物です。ヨハネは、旅をしながら福音を伝える兄弟たちを温かくもてなしていたガイオを称賛し、こう書いています。
「私たちはこのような人々を受け入れるべきです。そうすれば、私たちは真理のために働く同労者となれるのです」(8節)
自ら遠くへ出て行って伝道しなくても、伝道する人を支え、もてなすことで、その働きの同労者になれる——これは今日の私たちにもそのまま当てはまります。
礼拝を支える裏方の奉仕、宣教師への支援、祈りによる支え。目立たない働きのすべてが、「真理のための同労」なのです。
三通を貫く一本の柱
三通の手紙を並べてみると、ひとつの構図が見えてきます。
第一:真理と愛の両方の中にとどまりなさい
第二:愛のために、真理を曖昧にしてはいけない
第三:真理のために、愛をもってもてなしなさい
ヨハネにとって、真理と愛は決して切り離せないひとつのものでした。そしてその両方の源が、肉体をとって来られ、十字架でご自身をささげられたイエス様なのです。
晩年のヨハネについて、こんな言い伝えが残っています。高齢で長い説教ができなくなったヨハネは、礼拝のたびに弟子たちに支えられて会衆の前に出て、ただ一言だけ語ったそうです。
「子どもたちよ、互いに愛し合いなさい」
なぜいつも同じことを言うのかと尋ねられると、ヨハネは「それが主の戒めであり、それさえ守れば十分だからだ」と答えたといいます。
皆さんの信仰の中で、「真理」と「愛」のどちらかに偏ってしまっていることはないでしょうか。
正しさを大切にするあまり、人に冷たくなっていないでしょうか。あるいは優しさを大切にするあまり、大切な真理を曖昧にしていないでしょうか。
「子どもたちよ。私たちは、ことばや口先だけで愛することをせず、行いと真実をもって愛そうではありませんか」(ヨハネの手紙 第一 3:18)
【今週の通読】
●Day 354:ペテロの手紙 第一 1章-3章
●Day 355:ペテロの手紙 第一 4章-6章
●Day 356:ペテロの手紙 第二 1章-3章
●Day 357:ヨハネの手紙 第一 1章-3章
●Day 358:ヨハネの手紙 第一 4章-5章
●Day 359:ヨハネの手紙 第一 1章-3章、ヨハネの手紙 第二、第三、ユダの手紙
●Day 360:ヨハネの黙示録 1章-3章

