シャローム!
通読は続いていますでしょうか?今週はルカの福音書を読み終え、ヨハネの福音書に入ります。このヨハネの福音書は、どのような書物なのでしょうか。
新約聖書には四つの福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)がありますが、ヨハネの福音書だけは少し毛色が異なります。マタイ・マルコ・ルカは「共観福音書」と呼ばれ、内容や視点が比較的似ています。しかしヨハネの福音書は、譬え話もほとんどなく、奇跡の記事も少なく、その代わりにイエス様が誰であるかという一点に、じっくりと時間をかけて向き合う書物です。
ヨハネの福音書の著者はイエス様の十二弟子のひとり、使徒ヨハネとされています。彼は自分自身のことを「イエス様が愛しておられた弟子」と表現しており(13:23など)、深い親密さの中でこの福音書を書きました。
また、ヨハネの福音書が書かれた目的は何でしょうか?
ヨハネの福音書のすばらしいところは、「なぜこの本を書いたか」が本文の中にちゃんと書いてあることです。
「イエス様が神の子キリストであることをあなたがたが信じるため、また信じてイエス様の名によっていのちを得るために、これらのことが書かれたのです」(20:31)
つまりこの書物は、歴史の記録であると同時に、読者を信仰へと招くために書かれた本なのです。初めて読まれる方も、そのつもりで読み進めていただくと、書物全体の意図がよく見えてくると思います。
ヨハネの福音書は、大きく二つの部分に分けることができます。
① 1〜12章:世に来られたイエス様(公の宣教)
イエス様が奇跡を行い、人々に語りかけ、ご自身が誰であるかを少しずつ明らかにしていかれる部分です。
② 13〜21章:弟子たちとの最後の時、そして十字架と復活
過越の食事、十字架、そして復活まで、限られた仲間たちとの深く親密な時間が描かれます。
覚えておきたい、三つの特徴は以下のようなものです。
① 「わたしは○○である」という宣言
ヨハネの福音書には、イエス様が「わたしは○○である」と語られる有名な言葉が7回出てきます。
「わたしはいのちのパンです」(6:35)
「わたしは世の光です」(8:12)
「わたしは羊の門です」(10:9)
「わたしはよい羊飼いです」(10:11)
「わたしはよみがえりです。いのちです」(11:25)
「わたしは道であり、真理であり、いのちです」(14:6)
「わたしはまことのぶどうの木です」(15:1)
これらはすべて、旧約聖書で神様ご自身が「わたしはある」と名乗られたこと(出エジプト記3:14)と重なっています。イエス様はこうした言葉を通して、ご自身が神であることを静かに、しかし明確に示しておられます。
② しるし(奇跡)には意味がある
ヨハネの福音書では、奇跡のことを「しるし」(σημεῖον/セーメイオン)と呼びます。これは単なる「すごい出来事」ではなく、その先にある真理を指し示す標識という意味です。
例えば水をぶどう酒に変えた奇跡(2章)は、単に困った家族を助けただけでなく、「イエス様が来られたことで、古い時代から新しい時代へと変わった」ことを指し示しています。
③ 愛という言葉がとても多い
ヨハネの福音書には「愛する」という言葉が、他のどの福音書よりも多く登場します。神様の愛、イエス様の弟子たちへの愛、そして弟子たちが互いに愛し合うようにという教え——これがこの書物全体を流れる、静かで温かいメッセージです。「イエス様に愛された」と自分のことを言うヨハネだからこそ、このような内容をかけたのかもしれません。
一言でまとめるなら、ヨハネの福音書は、「イエス様が誰であるか」をじっくりと味わうための書物です。何か情報を得るための書物というより、イエス様ご自身と出会うための書物と言えるかもしれません。読み進める中で、「ああ、この方は本当に神様なのだ」という実感が、少しずつ心の中に育っていくような読み方をしていただけたら嬉しいです。
今週も主の豊かな祝福の中、歩むことができますように。
【今週の通読】
●Day 302:ルカの福音書 16章-18章
●Day 303:ルカの福音書 19章-21章
●Day 304:ルカの福音書 22章-24章
●Day 305:ヨハネの福音書 1章-3章
●Day 306:ヨハネの福音書 4章-6章
●Day 307:ヨハネの福音書 7章-9章
●Day 308:ヨハネの福音書 10章-12章

