聖書通読クラブ Week 43

聖書通読クラブ Week 43

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シャローム!

通読は続いていますか?
今週はマタイの福音書を読み終え、マルコと福音書、そしてルカの福音書の通読になります。
マルコの福音書は、四つの福音書の中で最も短く、イエス・キリストの行動と奇跡を迅速に、そして力強く描いている点が大きな特徴です。「するとすぐに」という語句が頻繁に用いられ、読者は次々と起こる出来事の中に引き込まれます。これによって、「神の国」がすでに到来していることを、イエスのしるしと奇跡を通してダイナミックに実感することができます。

また、マルコ福音書には「メシア秘密」と呼ばれる文学的手法があります。イエス様はたびたび、ご自身がメシアであることを人々に語らせないよう命じます。これは、メシア理解を「十字架と復活を経てこそ完全に知る」というテーマを際立たせるためです。その結果、読者はイエス様の受難と復活が救いの核心であることを自然に悟るようになります。

イエス様の描かれ方も独特です。マルコは、当時期待されたような政治的勝利をもたらす王ではなく、「苦しみを担うしもべ」としてのメシア像を強調します。福音書後半の受難物語は特に詳しく描かれ、十字架に向かう道筋や弟子たちの逃亡、ペテロの否認、そしてイエス様の死と復活が、克明に記録されています。この描写を通して、苦しみそのものにこそ神の救いの意味があるという神学が示されています。

さらに、マルコは弟子たちの弱さや未熟さも率直に描いています。彼らはイエス様の言葉を理解できず、奇跡を目の当たりにしながらも恐れや疑いにとらわれます。ペテロの否認や他の弟子たちの逃走などのエピソードは、「信仰は力強い行動であると同時に、不断の学びと悔い改めを必要とする過程である」ことを示しています。この点は、現代の私たちにも非常に教訓的です。

マルコ福音書から学べることは多岐にわたります。まず、「行動する信仰」の重要性です。イエス様は言葉だけでなく、病をいやし、悪霊を追い出し、自然をも支配する力を示されました。私たちもまた、困っている人を援助し、福音を行動で示すことが求められます。次に、「苦しみの意味」を学びます。イエス様が自ら苦しみを選ばれたように、キリストを信じる者も時には十字架を背負う覚悟が必要です。

さらに、「緊急性と宣教の姿勢」です。マルコの筆致はスピード感に富み、読者に「今この瞬間の宣教」を強く意識させます。福音はいつでも、どこでも、ためらいなく語られるべきものです。そして「謙遜と学びの継続」も重要です。弟子たちの失敗から学び、失敗を恐れずに成長し続ける姿勢を持つことが、成熟した信仰生活につながります。

このように、マルコの福音書はシンプルな構成ながら、イエス様の権威、苦しみ、弟子の未熟さ、そして福音宣教の緊急性を鮮やかに描き、現代のキリスト者にも豊かな示唆を与えてくれます。ぜひ通読を通して、そこに込められた「神の国」のリアリティと、私たちが歩むべき「行動する信仰」を深く味わってみてください。
今週も聖霊の助けを求めながら、聖書の真理を見つめ、通読を続けていきましょう。

●Day 291:マタイの福音書 25章-28章
●Day 292:マルコの福音書 1章-3章
●Day 293:マルコの福音書 4章-6章
●Day 294:マルコの福音書 7章-9章
●Day 295:マルコの福音書 10章-12章
●Day 296:マルコの福音書 13章-15章
●Day 297:ルカの福音書 1章-3章

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