シャローム!
雅歌はソロモンによって書かれました。「歌の中の歌」という意味です。面白いですね。一つ前の伝道者の書では「空の空」と言っていました。
この雅歌は旧約聖書の中でも最後まで聖典に入れられるか議論された書物だそうです。内容が男女の愛の物語だからです。ですから、ユダヤ教では30歳にならないと雅歌は読めないそうです。
これを単なる男女の恋物語と読むとそのような対処が必要かもしれませんが、雅歌は至聖所の書簡です。この女性と男性は教会とキリストです。恋心を抱き、様々な経験をして成長する女性を教会として、男性をキリストとして見ると、この雅歌がより奥深いものとして読むことができます。今日もみことばに教えられていきましょう。
今日の通読箇所:雅歌 1章〜3章
■アウトライン
愛する方との出会い:1章
・口づけしてくださったらいいのに:1-3節
・引き寄せて下さい:4節
・黒いけど美しい:5-7節
・女の中で最も美しい人:8節
・わが愛する者よ:9-11節
・ナルドのかおり:12-14節
・鳩のような目:15節
・青々とした長椅子:16-17節
●愛する方と近い関係になる:2章
・シャロンのサフラン谷のゆり:1節
・いばらの中のゆりの花:2節
・愛の旗印:3-6節
・愛が目覚めたいと思うときまで:7節
・歌の季節がやってきた:8-15節
・そよ風が吹き始め、影が消え去るころ:16-17節
●婚姻の備え:3章
・探しても見つからない:1-4節
・愛が目覚めたいと思うときまで:5節
・ソロモンの乗るみこし:6-11節
(1)通読のために心を整える
心を静めて、知恵と啓示の御霊をお迎えしましょう。
(2)通読
今日の通読箇所をまず音読しましょう。
(3)自分なりの受け取ったことをノートに書き記す
コラムを読む前に、自分なりに受け取ったことをノートにまとめてみましょう。
(4)コラムを読む
コラムを読み、質問の答えを考えてみましょう。
■コラム
【1章】愛する方との出会い
・口づけしてくださったらいいのに:1-3節
雅歌は「あの方が私に口づけしてくださったら」よいのに」ということばから始まります。英語だと「Kiss me」です。この歌詞をシックスペンス・ナンザ・リッチャーというクリスチャンのグループが歌にしてグラミー賞にもノミネートされました。
シュネムの女性は男性に恋い焦がれています。ヘブライ語では、名前と香油が言葉遊びのようになっています。乙女らからも憧れられる男性です。
・引き寄せて下さい:4節
女性は積極的に「私を引き寄せて下さい」と言っています。その後は「私たち」となっています。女性を教会とするなら、主を慕い求める者たちが王の奥の間で楽しみ世路kんでいる姿が見えます。
・黒いけど美しい:5-7節
この女性はセルフイメージの高い女性です。黒いけれど美しいと言っています。当時のこの場所では、色の白い女性が美しいと見なされていたようです。王宮にいて、日に当たらないからです。しかし、シュネムの女性は日に焼けて黒いという容姿を恥じることなく、美しいと言い切っています。外見よりも、内側が美しい人が本当の美しい人です。
そして、この女性は自分のぶどう畑を見張らなかったとあります。これは自分自身のことでしょう。様々な仕事があったので、自分自身のことを手入れし、整える時間がありませんでした。自分を顔覆いをつけた女と言っています。これは売春婦の事を言っています。
沢山の女性がいる中でソロモンは特別にシュネムの女に目を留めています。そのことがふしだらな女として見られるのではないかと心配しています。そこで、ソロモンは本当に愛しているんだと言うことを伝えます。
・女の中で最も美しい人:8節
シュネムの女を「女の中で最も美しい人よ」と言っています。黙示録の中には主に二人の女性が出てきます。キリストの花嫁と大淫婦です。沢山の女性の中でキリストの花嫁が「最も美しい人」であることを感謝します。
・わが愛する者よ:9-11節
さらに、ソロモンは女性を戦車の雌馬と言っています。一見失礼に聞こえますが、これはほめことばです。馬は高級品です。特にエジプトから輸入された馬は最高級品です。そして、戦車用の馬は雄馬です。もし、飾り立てた雌馬が使われたら、誰もがそれに目を留めます。あなたはその様なものだと言っています。また、後半に出てきますが、これは戦う花嫁も意味しています。
・ナルドのかおり:12-14節
ここに書かれているのはすべて香料です。女性はその香料を自分の胸につけています。一方、ソロモンはうたげの座にいます。そこには当然各地から集まっていた美しい女性がいるでしょう。その中でも、良い香りを放ち、一点にソロモンを見つめています。キリストの香りを放つ教会のようです。
・鳩のような目:15節
ソロモンは女性に愛のことばを贈ります。先ほどは馬と言いましたが、ここでは鳩と言っています。目が離れた女性が好きなのでしょうか?そうではありません。鳩の目は特殊な目です。一点しか見つめることができません。ですから、たまに道ばたで車にひかれたりしています。視野角が広く、飛べるのだから逃げれば良いのにと思いますが、一点を見つめ続けているので迫ってくる車に気づかないのです。そのように、一点に見つめる女性をたたえています。
・青々とした長椅子:16-17節
シュネムの女もソロモンに愛のことばで答えます。長椅子や家の事を言っています。この時はまだないのですが、まもなく自分たちのために用意される新居を夢見ています。
私たちもやがてイエス様が迎えに来られ、その後に新しいエルサレムに主と共に永遠に住みます。そのことを夢見ます。
私はあまり夢を見ないのですが、ある日、天にある自分の部屋の一部の夢を見ました。真っ白のとっても広い部屋でした。大きな窓があり、日の光と緑がまぶしく見えていました。その大きな部屋に、ぽつんと私の欲しいドラムセットが置いてありました。その時夢の中で「あ、これが天で用意されている部屋なんだ」と直感的にわかりました。これは単なる妄想かもしれませんが、その空気感と部屋の様子やデザイン、配置などはいまでもはっきり覚えています。きっと、天にそのような場所が用意されていると信じます。
【2章】愛する方と近い関係になる
・シャロンのサフラン谷のゆり:1節
ここから、宴の場でのふたりのやりとりが始まります。
女性は自分のことをシャロンのサフラン、谷のゆりの花と言っています。美しいですが、どこにでもあるような花です。
・いばらの中のゆりの花:2節
ところがソロモンは、この女性をいばらの中のゆりの花と言っています。不毛のいばらの中に咲く一輪のゆりは、どれほど美しいでしょうか。その様に女性をたたえています。
・愛の旗印:3-6節
女性はソロモン王が宴の中にいるのは、林の木の中のりんごの木と例えています。甘い実を結ばせる特別な木です。その木の陰に座りたいと女性は望みます。おそらく、シュネムの女は田舎出身なので、宮殿での宴になれていないのでしょう。だから、愛するソロモン王のそばにいたいと願っています。
その上、ソロモン王は女性を酒宴の席に伴ってくれています。女性の上に翻っている旗印は「愛」と言うものでした。
私たちもすべての動機がこの愛です。イエス様を愛するがゆえにみことばを読みます。祈ります。良い行いをします。人々が私たちを見るなら、私たちの上にはいつも「愛」という旗がひらめいています。
5節を見ると、この女性がどれ程ソロモンを愛していたかがわかります。愛に病んでいると書いています。ソロモンの胸の中に抱かれたいと切望しています。私たちはイエス様に対してこれほどの飢え乾きを持っているでしょうか。
・愛が目覚めたいと思うときまで:7節
かもしかやの野の雌鹿をさして誓っていただきますとあります。これらの動物はとても音に敏感です。この動物に誓って揺り起こしたりかき立てたりしないで下さいと願っています。ソロモンへの愛はそれほど繊細なものであるという表現です。彼女は周りにはやし立てられて、乗せられてソロモンへの愛を高めるのではなく、その時が来るまでそっとしておいて欲しいと言っています。時を待っています。
今は世間では多くの人が純潔を保つことなく結婚に臨みます。しかし、初めての口づけを結婚の贈り物として差し上げるほどの愛は素晴らしいものではないでしょうか。待つと言うことは古くさいものでも消極的なものではありません。むしろ積極的で素晴らしい愛の行為です。
・歌の季節がやってきた:8-15節
場所が宴の席から女性の故郷に移っています。そこにソロモンが結婚の為の挨拶にやってきます。壁のうしろにじっと立ち、窓からのぞき、格子ごしに伺っているとあります。ここだけ見るとストーカーのようで恐ろしいですが、それほどの愛を持っていると言うことです。
そして、10節からは女性への愛のことばが続きます。とても美しい内容ですね。天国のような光景が目に浮かびます。冬も過ぎ去り、大雨の季節も過ぎて言っています。イスラエルでは冬は地面がぬかるみ、足もとが悪くなります。それらも過ぎ去って、歌の季節になっています。これは春が来た事と、結婚の季節が来たことをかけています。ここに至るまで様々な困難があったけど、ようやく結婚が目の前に迫っている喜びをこのように表現しています。
しかし、女性は岩の裂け目、がけの隠れ場にいる鳩のようになかなか出てきません。まるで、イエス様がずっと私たちに救いの道を示して下さっているのに、それに答えない私たちのようです。
・そよ風が吹き始め、影が消え去るころ:16-17節
素晴らしい愛の形です。私の愛する方は私のもの。私はあの方のもの。これが夫婦の愛の姿です。お互いに対して責任を持ち、お互いを受け入れている姿です。あの方がゆりの花の間で群れを飼っているとは、王として国を治めている様子です。そして、17節、その働きを終えて、家に帰り、自分との時間を楽しむことを喜んでいます。
「そよ風が吹き始め、影が消え去るころ」という表現をどこかで聞いたことがないでしょうか?創世記の3章で、アダムとエバが罪を犯し、隠れているときに書かれている表現です。その時、主はアダムとエバの名を呼んでそこから呼び出してくださいました。救いの呼び掛け、安息の時です。
私たちもイエス様に対して同じ気持ちでしょう。主は戻ってこられます。その時を私たちは待ちわびています。いつそよ風が吹き始めるのでしょうか。聖霊様の風の動きを悟るものとされたいです。
【3章】婚姻の備え
・探しても見つからない:1-4節
結婚を前にして、女性は不安を覚えます。それをマリッジ・ブルーと言ったりします。シュネムの女性もそのようになっているのが見受けられます。
夜、寝ているときに不安になり、夢を見ています。その夢の中でも、彼が自分から離れてしまうのではないかとの思いに捕らえられています。町中の人に聞き、やっと見つけたソロモンをしっかりとつかまえ、話さず、母の家の奥の間、寝室に連れて行きそこで結ばれることすら想像しています。
・愛が目覚めたいと思うときまで:5節
そして、また、先ほどと同じ、「揺り起こしたり、かき立てたりしないで下さい。愛が目覚めたいと思うときまでは」と言っています。あらゆる妄想などによっての誘惑からの試みに打ち勝つことができるようにとの願いです。
愛する人と一つになりたいというのは誰もが持つ願でしょう。しかし、それが許されるのは神様の守りの中でだけです。神様の時を待たずしてこの行為に及ぶなら、お互いに大きな傷となります。もちろん、その後悔い改めるなら、主はいやし、回復させて下さいますが、そうならないに越したことはありません。
また、キリストの花嫁としては、主が来られるまで、他の女性(偶像礼拝)をしないように、自分の心を見張る必要があります。
・ソロモンの乗るみこし:6-11節
続いては、婚礼の時の場面に移っています。当時のイスラエルでは、花婿が友人たちと共に行列を作って花嫁の家に迎えに行きます。花嫁は家からその集団が近づいて来るのを悟り、出て行って道の途中で出会います。この事を知るなら、マタイの25章にある賢い5人の娘と愚かな5人の娘のたとえがわかるのではないでしょうか。
また、同時に私たちキリストの花嫁とイエス様との婚姻の時、つまり再臨の様子もよくわかるのではないでしょうか。
ソロモンは、シュネムの女性を迎えに来るとき、特別なみこしを作りました。そして、それを宝石で飾り、周りに護衛をつけました。みこしは主の王座を現しています。
やがて、私たち罪を持っていた者がキリストと同じ座に着きます。どのようにしてそれが可能なのでしょうか。キリストとの結婚によって可能になります。妻であれば、夫と同じ者を相続できます。キリストが持っておられる神の御子という立場、そしてそのお方だけが座ることが許されている王座に、妻も座ることができます。
そして、キリストの花嫁とキリストとの婚姻を、御使いが見守り、祝福します。この時のために、私たちはみことばの洗いによって今日もきよめられていきましょう。
(5)ノートに記す
文中の質問、また以下の質問の回答をノートに記しましょう。
・【観察】今日の通読箇所の内容を簡潔にまとめましょう。
・【観察】神様はどのようなお方ですか?神様のご性質や神様がどのように働かれるかを書きましょう。
・【観察】ここからどんな真理や教訓を学べますか?
・【適用】自分の生活にどのようにあてはめることができますか?
・【感謝】受けた恵みや感謝はありますか?
・【祈り】実行できるように祈りましょう。
(6)祈り
実行できるように、主に切に求めて祈りましょう。
(7)分かち合う
ページの一番下にある「コメントを残す」というところに、受けた恵みを分かち合いましょう。
私の愛する方は私のもの。私はあの方のもの。このみことばのように、主を愛し夫を愛することができるように祈ります。