シャローム!
今日からネヘミヤ記がスタートします。エズラ記は「神の宮と民の再建」がテーマでしたが、ネヘミヤ記は「神の宮と民の守り」がテーマです。エズラ記でもみましたが、再建の時に邪魔が入ります。そのような反対勢力にどのように勝利していくのでしょうか。
今日もみことばを朗読し、教えられていきましょう。
今日の通読箇所:ネヘミヤ記 1章~3章
■アウトライン
城壁の修理
●心を引き裂く祈り:1章
・残された者:1-3節
・ネヘミヤの祈り:4-11節
●城壁再建への道:2章
・王との会話:1-10節
・エルサレムの視察:11-16節
・さげすむ者へのことば:17-20節
●門の修復:3章
・羊の門の再建:1-2節
・魚の門の再建:3-5節
・エシャナ(古い)門:6-12節
・谷の門:13節
・糞の門:14節
・泉の門:15-27節
・馬の門:28-32節
(1)通読のために心を整える
心を静めて、知恵と啓示の御霊をお迎えしましょう。
(2)通読
今日の通読箇所をまず音読しましょう。
(3)自分なりの受け取ったことをノートに書き記す
コラムを読む前に、自分なりに受け取ったことをノートにまとめてみましょう。
(4)コラムを読む
コラムを読み、質問の答えを考えてみましょう。
■コラム
【1章】心を引き裂く祈り
・残された者:1-3節
ネヘミヤはシュシャンで王の献酌官として使えていました。シュシャンとはエステル記のエステルが活躍した舞台です。
そこでネヘミヤはユダから来たハナニという人からユダヤ人の残された民とイスラエルが惨憺たる状況であることを聞きます。
・ネヘミヤの祈り:4-11節
そこでネヘミヤは祈ります。主を褒め称えることからはじまっています。そして憐れみを乞うています。
そして、この祈りを見ると、ネヘミヤはいつもイスラエル人の罪を告白して祈っていたと言うことがわかります。
そのように、罪を認めた上でモーセの律法を思い起こしてくださいと祈っています。その内容は申命記30:1-5に書かれている、神の民が散らされるが主が元に戻してくださるという神の約束です。
このように、私たちはみことばを知っているなら、自分の罪を認めた上で、神のみことばを宣言して神様に願い求めることができます。
そして、祈りの最後は「祈りに耳を傾けてください」と懇願しています。うわべだけの祈りではなく、これほどまでに飢え乾いた祈りが必要です。
【2章】城壁再建への道
・王との会話:1-10節
ネヘミヤはその様な祈りをしながらも、仕事を続けます。王の献酌官としての仕事です。アルタシャスタ王の第二十年のニサンの月と開かれています。ハナニからエルサレムの状況を聞いたのがキスレウの月でしたから、約四ヶ月、ネヘミヤは祈り続けていました。
祈りは直ぐに聞かれることもありますが、多くの場合は長い時間がかかるものです。その間に私たちは忍耐を学ぶことができます。あきらめずに祈り続ける必要があります。私たちのタイミングではなく、神様のタイミングで祈りは聞かれます。それが最善の時なのです。
私たちはネヘミヤの仕事であった献酌官は単なる毒味の仕事ではないかと思うかもしれませんが、実際には王の相談役でもあります。また、献酌官は自分の心がどのような状態であっても、常に王に対しては笑顔で接さなければならなかったそうです。もし、王に不安を与えてしまったら、その場で献酌官としての仕事を取り上げられるか、ひどい場合は死刑に処せられるそうです。
王の口にする物の確認をする、言うなれば王のいのちを預かる物なので責任は重大です。
そのような背景を考えると、2節の事は考えられないことが起こっています。王自ら献酌官のネヘミヤのことを心配してくれています。それなので、2節後半にあるようにネヘミヤはひどく恐れています。そして、恐れながらも正直に心の内を告白します。
しかも、ネヘミヤはことばを選んでいます。具体的な地名を出さず、「先祖の墓のある町」と言っています。非常にかしこいことばの選び方です。神の知恵です。
これらの事から、王とネヘミヤの良好な関係、それはすべて主の好意であったことがわかります。
私たちも自分の上司や先生に対して、このような関係を築いていきたいですね。
4節からを見ると、王はネヘミヤの告白に怒るのではなく、さらに「では、あなたは何を願うのか」と聞いています。普段ならあり得ないことですが、ネヘミヤは思い切って具体的な内容を端的に王に告げます。
ここで注目したいのは4節です。「そこで私は、天の神にいのってから」とあります。これです。これが鍵です。心にあることをそのまま口に出すのではないのです。(ちなみに、年齢が上がるほどこの傾向があるようです)私たちの心に、頭に上った言うべきことばをいったん神様に持っていき、その後話すという習慣を身につけるなら、私たちは賢い答え方をし続けることができるでしょう。
この祈りは徹夜の祈りでもなく、何時間もかけた祈りではありません。おそらく、1秒あるかないかの祈りです。これはネヘミヤが普段から隠れたところで祈り続けていた土台があるからこそできる祈りでした。私たちも、通読、そして祈りの生活が続けられているなら、この瞬間的な祈りも実践してみましょう。
このように祈り、勇気を持って王に真実を続けた所、祈りが聞かれました。王は「いつ戻ってくるのか」と期間を聞きます。するとネヘミヤは即座に期間を申し出ています。どうしてこのような事ができたのかわかるでしょうか?いつも祈りの中で再建の事を祈り、計画を練り、熟考していたからです。十分な準備と備えがありました。そこに神様は働いてくださいます。
7節からを見ると、ネヘミヤはさらに大胆に様々なお願いをしています。王との信頼関係の中、また、神様が道を開いてくださったことを確信しての申し出です。
その申し出はかなえられました。その理由は「神の恵みの御手が私の上にあった」からです。
ネヘミヤは、祈りの中で神殿再建は一筋縄でいかないことを悟っていました。ですから王に様々な申し出をしました。そして、10節からをみると、早速反対者が出てきています。
・エルサレムの視察:11-16節
このような過程を経て、ネヘミヤはエルサレムに到着し三日間とどまります。これからネヘミヤが行うことは非常に重要なプロジェクトです。機密計画です。ですから、人に知られてしまっては困ります。
持ち前の忍耐力を働かせ、ネヘミヤはこの事を誰にも告げず、最低限の持ち物でエルサレムに来ました。
ネヘミヤはいつも祈りの中で想像していた事と、それを実査に目で見た事とをすりあわせていきます。その事でより緻密な再建計画を立てることができるのです。
実際にネヘミヤがどのような順序で見て回ったか、またこの後の門の修復を理解しやすくするために図を用意しましたので、下の図を見ながらみことばを読み進めてみましょう。
事を始める前に事前調査は非常に重要です。イエス様もルカ14:28で「塔を築こうとするとき、まずすわって、完成に十分な金があるかどうか、その費用を計算しない者が、あなたがたのうちにひとりでもあるでしょうか。」と言われています。綿密な事前調査が後の効率化、また完成度を高めます。
時には計画を大胆に信仰を持って宣言することも必要ですが、心に秘めて祈り続ける事も大切です。
・さげすむ者へのことば:17-20節
いよいよ、計画を実行に移す段階です。ネヘミヤはユダヤ人たちに現状を語ります。彼らは落胆していました。ですから、まず、彼らの気持ちに寄り添ったのです。そして、その上で城壁を再建しようと語ります。その目的は何でしょうか。「これ以上のそしりを受けないため」です。
城壁は敵から身を守るために大切な働きをします。これは私たちの霊的な状況にも当てはめることができます。
箴言25:28には「自分の心を制することができない人は、城壁のない、打ちこわされた町のようだ。」とあります。
自分の心を制御できない人は本能で行動し、結果人からそしられることもあるでしょう。このネヘミヤのみことばとも意味が合致します。
城壁を建て直すことは、私たちの心を守る意味でも非常に重要なことになります。ところが、このような作業に取りかかろうとしたとき、必ず次のことが起こります。
19節を見てみましょう。反対者が怒り、「あなたたちが使用としていることは王に反逆していることだ」と言います。それに対してネヘミヤはどのように答えたでしょうか。
まず初めに「天の神ご自身が、私たちを成功させてくださる」と言っています。これは適当に思いついた事ではありません。今まで祈り続けてきた神様との親密な関係から出る信頼の表れのことばです。
そして、「エルサレムの中に何の分け前も、権利も、記念もない」と言って一刀両断します。ヤハウェなる神を信じていない者が神のご計画をとやかく言うことはできません。
【3章】門の修復
・羊の門の再建:1-2節
ここから実際に門と城壁が再建されていきます。無計画でも適当でもなく、入念な祈りと綿密な計画によってすすめられるものでした。ネヘミヤは王に「4ヶ月」と言っていましたので、期間が決められていました。ですから、時間を無駄にできないのです。
最初は大祭司エルヤシブが羊の門の修復に取りかかります。羊の門は北に位置する門で、そこから神殿で献げられるいけにえが運び込まれる門です。
イエス様がロバの子にのって「ホサナ」と言われながらエルサレムに入場されたのもこの門だと言われています。この門を通ってイエス様は私たちの罪を取り除くいけにえとなられたのです。
そして、イエス様はヨハネ10:7で「まことに、まことに、あなたがたに告げます。わたしは羊の門です。」と言われます。
まずイエス様との関係を修復するのが一番大切です。
・魚の門の再建:3-5節
次は魚の門です。しかし、すぐれた人たちは工事に協力しなかったとあります。すぐれた人は貴族です。このような人はどのような組織でも一定数いるものです。
彼らを協力するように説得することもあるかもしれませんが、そのままにして置くことも必要かもしれません。どちらの方に労力を裂くかは祈って決める必要があります。
・エシャナ(古い)門:6-12節
続いては古い門です。ここでは職人たちが主に修復を担当しています。教会は牧師や働き人だけでは運営できません。様々な人々が協力して運営されていきます。
そして、この人たちが修復した城壁が今、エルサレムの旧市街地で発掘されています。
9節からを見ると、エルサレムの地区長、大祭司、また娘たちも修復を手伝っています。
10節に「自分の家に面する所を修理し」とあります。一見、自分勝手に見えることですが、これは自分の家の近くなので責任を持って修理するという心理が働きます。結果、強固な城壁が作れます。
また、ローマ12:18には「あなたがたは、自分に関する限り、すべての人との平和を保ちなさい」とあります。もし、私たちが自分に任されている分野を集中して修復していくなら、神様はそれを不思議な形でくみ上げて完成へと導いてくださいます。福音が広められないのは誰のせいでもなく私のせいであるかもしれません。
・谷の門:13節
谷の門はネヘミヤが調査したところでもあります。
・糞の門:14節
続いては糞の門です。ちょっと嫌な名前の門ですが、この門からキデロンの谷、ヒノムの谷に排泄物やゴミなどを捨てていたようです。今でもこの糞の門はあり、嘆きの壁に行くときにはこの門から入っていきます。
・泉の門:15-27節
続いては泉の門です。ここの近くにはダビデの墓地、人工貯水池などがあります。
東の壁も修復され零ます。このあたりは居住区域です。そこの住人が修理をします。
・馬の門、招集の門:28-32節
馬の門が修復されます。ここには祭司の家がありました。
招集の門は金細工人が修理します。この辺りはおもに商人が住んでいた地区でした。
このように、みごとな人員配置で修理がされていきます。優れたリーダー、指揮者がいるなら、このようにプロジェクトは円滑に進んでいきます。なにより、神様の好意がありました。
教会が神様の御心に沿って一致して進むとき、そこに神の力強い働きがあり、前進があります。
(5)ノートに記す
文中の質問、また以下の質問の回答をノートに記しましょう。
・【観察】今日の通読箇所の内容を簡潔にまとめましょう。
・【観察】神様はどのようなお方ですか?神様のご性質や神様がどのように働かれるかを書きましょう。
・【観察】ここからどんな真理や教訓を学べますか?
・【適用】自分の生活にどのようにあてはめることができますか?
・【感謝】受けた恵みや感謝はありますか?
・【祈り】実行できるように祈りましょう。
(6)祈り
実行できるように、主に切に求めて祈りましょう。
(7)分かち合う
ページの一番下にある「コメントを残す」というところに、受けた恵みを分かち合いましょう。
感謝します。自分に関する限りすべての人との平和を保てるように祈っています。