猿回し
私が子どものころ、近くで猿回しのショーが行われていました。猿なのにちゃんと主人の言うことを聞いて、器用に芸をします。主人の言葉を理解しているのかどうかわかりませんが、ちゃんと主人が「〇〇だよね?」というと「うん、うん。」とうなずいていたのが、子どもごごろにとても印象に残っています。
その後何年後かに、テレビで猿回しのドキュメンタリーを放送していました。そこでは、あの楽しく華やかなステージとは打って変わって、地味で忍耐のいる日々を過ごしていました。
主人と猿はずっと一緒の共同生活、寝食を共にする仲です。そりゃ、阿吽の呼吸で芸ができるはずです。しかし、最初はそうではなかったそうです。
猿と主人の関係
猿回しも、いきなりあのような芸ができるわけではありません。最初はぎくしゃくした関係が続くそうです。そして、慣れてくると猿が反抗してくる時期があるそうです。(人間も反抗期がありますからね)
その対処法が衝撃的なものでした。
それは、主人が猿をうつぶせにさせ、本気で背中に噛みつくのだそうです。猿は嫌がります。キーキー泣き叫びます。しかし、主人は容赦しません。本気で噛み続けるのです。
すると、どうなるでしょうか。猿はしばらくするとおとなしくなり、素直になります。しかし、またしばらくすると同じようになるそうです。そうしたら、また、同じようにうつぶせにさせ、背中を本気で噛み続けるそうです。
それを繰り返していくうちに、猿は「あ、この人には逆らうことができない」と思い、従順な猿となっていくとのことです。
ここでの大切なポイントは「誰が主人か」ということです。

子どもの場合
別の例えではどうでしょうか。
たとえば、デパートのおもちゃ売り場や、スーパーのお菓子売り場に行くと、子どもが駄々をこねて地面でじたばたしている姿を見ることがあります。いわゆる「わがまま」という姿です。
親がいくら説得しても、火に油を注ぐように、その態度は悪化していきます。
なぜそのようなことが起きてしまうのでしょうか。それは、子どもが本当の主人を理解していないからです。そのような状態では、子どもの主人は自分自身になってしまっています。
自分が中心となり、自分の思い通りにいかないから、泣いたり暴れたりして抵抗し、親を困らせ自分の願望をかなえさせようとしてしまいます。
しかし、子どもが親の権威を認めているなら、そんなには暴れないはずです。
私たちが猿や子どもになっていないか
これは、猿や子どもだけの話ではありません。
誰が主人であるかを知ることはとても大切なことです。
あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また「何の喜びもない」と言う年月が近づく前に。
伝道者の書 12章 1節
私たちの人生において、造り主を知るということはとても大切なことです。
主人が明確になるなら、生き方も変わっていきます。
自分自身という不安定なものに人生のハンドルを任せますか?それとも、私たちのすべてをご存じで、永遠の愛で愛してくださる創造主に私たちの人生のハンドルを渡しますか?
ですから、神のみこころにより苦しみにあっている人たちは、善を行いつつ、真実な創造者に自分のたましいをゆだねなさい。
ペテロの手紙 第一 4章 19節
今日のまとめ
誰が自分の人生の主人か。私たちの創造主を自分の主人と知ることは人生において最も大切なこと。