シャローム!
エルサレムは預言されていたとおり、陥落しました。その後、わずかに残されたユダの人々のことが書かれています。彼らはバビロンが滅ぼされた現実を見て、何を学んでいたのでしょうか。彼らはどのような反応をし、生き方をしているのでしょうか。
今日もみことばに教えられていきましょう。
今日の通読箇所:エレミヤ書 40章〜42章
■アウトライン
●残されたユダの政治:40章
・気に入った所に行きなさい:1-6節
・散らされた地から帰ってくる:7-12節
・そんなことをしてはならない:13-16節
●暗殺と虐殺:41章
・ゲダルヤの暗殺:1-3節
・殺された者で満たされた穴:4-15節
・カルデヤ人から逃げる:16-18節
●同じことの繰り返し:42章
・良くても悪くてもみことばに従います:1-6節
・エジプトへ行ってはならない:7-22節
(1)通読のために心を整える
心を静めて、知恵と啓示の御霊をお迎えしましょう。
(2)通読
今日の通読箇所をまず音読しましょう。
(3)自分なりの受け取ったことをノートに書き記す
コラムを読む前に、自分なりに受け取ったことをノートにまとめてみましょう。
(4)コラムを読む
コラムを読み、質問の答えを考えてみましょう。
■コラム
【40章】残されたユダの政治
・気に入った所に行きなさい:1-6節
前にもお伝えしましたが、バビロンによって連れて行かれたユダの人人は一旦ベニヤミンの地にあるラマという所に集められました。そこからまとまってバビロンに引かれていくのですが、エレミヤはそこで釈放されました。
そこで侍従長から話しかけられます。彼は異邦人です。しかし、エレミヤの語る神のことばに興味を示していました。そして、エレミヤの言ったとおりになったことを見て、主のなされたことを認めています。そのことの故に、侍従長はエレミヤに完全な自由を与えています。
バビロンに行きたければ行ったら良いし、嫌なら行かなくても良いと言っています。アブラハムがロトに好きな方の土地を選びなさいと言ったときのようです。私たちはこのような場合、信仰の決断をする必要があります。もし、みなさんがエレミヤだったら、どちらを選ぶでしょうか。
エレミヤは残された民の方を選びました。おそらく、バビロンにいる方が豊かな生活ができたでしょう。しかし、エレミヤはいばらの道を選びました。そして、そこにいる貧しい人たちと一緒にいます。弱い者と共に暮らす姿は、イエス様のようです。
・散らされた地から帰ってくる:7-12節
バビロンによって滅ぼされたユダの国には何名かの人が残っています。その中の一部はエルサレムが陥落したときに外で戦っている戦士たちです。
バビロンは残りの民をとりまとめるリーダーとしてゲダルヤを総督として立てます。戦士たちはそのことを知り、戻ってきました。その場所の名前がミツパです。
ゲダルヤはシャファンの子、アヒカムの子です。シャファンはエレミヤの預言を聞いていた人物です。(2列22:10)その子のアヒカムはヨシヤが女預言者のところに遣わした人物です。その息子がゲダルヤですので、エレミヤのことばを受け入れています。
こうして、ミツパで小さなユダヤ人の共同体での生活がスタートします。そのために作物やぶどう酒はまず一所に集め、それを等しく分配するというシステムが取られています。使徒2:44にあるすべてのものを共有にしていたという事と同じです。
この事を聞いたユダの地を離れていた人々は喜んでぶどう酒や果物を多く集めて来ました。
・そんなことをしてはならない:13-16節
ところがしばらくして、不穏な動きがありました。将校の内の一人、イシュマエルがゲダルヤを殺そうとしているとの情報が入りました。イシュマエルは王族の出でした。それなので自分こそが王にふさわしく、バビロンに仕えることなどできないという高ぶりと愛国心がありました。一方、ゲダルヤは書記の子です。イシュマエルはバビロンに対する敵対心と、ふさわしくない者が統治していると言うことを受け入れがたかったのでしょう。それでゲダルヤを暗殺しようとします。
それに加えて、アモンの陰謀がありました。アモンもまたバビロンによって従属国となっていました。かつて、バビロンに対抗すべく、エルサレムで周辺諸国が集まって同盟を組みました。その中にアモン人もいました。
アモン人はエルサレムが滅ぼされたことを喜んでいましたが、ユダの地に平安が戻ってきたら今度はバビロンは自分たちを滅ぼしに来るのではないかと思い、ユダの地を不安定にすることでバビロンの目をユダの地に向けさせ、自分たちは助かろうと考えていました。
そのようなわけで、ちょうど利害関係が一致し、アモン人がイシュマエルを雇ったのです。
そこにヨハナンという優秀な将校が出てきます。ゲダルヤを守るために先制攻撃をした方がいいと勧めます。しかし、当のゲダルヤはあまり気にせず、単なるイシュマエルのねたみと悪口ではないかと思っていました。
【41章】暗殺と虐殺
・ゲダルヤの暗殺:1-3節
イシュマエルはゲダルヤと共に食事をします。今でも食卓を囲むことは親密な関係を意味しますが、この時代はなおさらそのような考えがあったようです。食事は平和の象徴です。ところがイシュマエルはこの場を利用してゲダルヤの殺害計画を立て、実行します。非常に悪い考えです。
・殺された者で満たされた穴:4-15節
この悲しみの次の日、驚くべき事が書かれています。シェケム、シロ、サマリヤ、つまり北イスラエルからゲダルヤの死を聞き、その中で主を礼拝しようとした者がいました。1節に第七の月とありますので、ちょうど仮庵の祭りの時期ですので、宮に上って来ようとしていたのかもしれません。
北イスラエルはヤロブアムによって偶像礼拝がもたらされ、アッシリヤによって滅ぼされました。人々は捕らえられましたが、その地に異邦人が入ってきて住み着きました。そこでユダヤ人と異邦人の混血の民、すなわちサマリヤ人が出てきます。彼ら独自の宗教も誕生します。そのような中にも、ヤハウェなる神を恐れる者が残されていたのです。イシュマエルは彼らを迎えにミツパに行きます。そして、あたかも自分が神を恐れる者かのようなふりをしてイスラエルの人々を殺害します。そこにあった穴にゲダルヤや殺害した人を放り込みます。
さらにイシュマエルはミツパに残っていて、平和に暮らしていた民をとりこにします。そして、アモン人のところに捕らえ移そうとしています。
ところがヨハナンと将校たちがイシュマエルの悪行を聞きつけて彼と戦うために出てきます。無理矢理連れて行かれていた民はヨハナンたちを見て彼らの方に逃げてきました。なんとか無事にイシュマエルの手から離れることができました。
・カルデヤ人から逃げる:16-18節
これで問題が解決したように思えますが、そうではありません。ヨハナンは確かに優秀な人物でした。それゆえに頭脳で判断し「バビロンが任命した総督をユダヤ人が殺したので、自分たちはここに住めなくなる」と考えたのです。そして、エジプトに行こうとします。しかし、預言ではエジプトには行くなと言われていました。自分の頭脳に頼る危険性を見ることができます。
【42章】同じことの繰り返し
・良くても悪くてもみことばに従います:1-6節
将校たちはすべての人々を集め、エレミヤの所に行って、主の御心を求めています。エレミヤは快諾します。それに対して人々は次の反応をします。
一つ目はエレミヤが確かに主の事を伝え、真実を伝えるようにと祈っています。二つ目は告げられた事は必ず行いますと言っています。三つ目は良くても悪くても御声に聞き従うと言っています。さらにもう一つ、みことばに従うことは幸せな道だと言っています。
しかしどうやら、彼らのこのことばの裏には「神に良くしてもらいたい」という思いがありました。
・エジプトへ行ってはならない:7-22節
彼らからの打診を受け、十日の後にエレミヤに神のことばがありました。十は試みの数字です。その期間に彼らは主の御心を待つことができず、自分たちでエジプトに行くことを決心していました。
エレミヤは神のことばを告げます。今までと違っています。新しい契約に基づく預言に変わっています。
主が幸いを与えると言っているのでバビロンの王の怒りからも救われるはずです。加えて、ユダヤ人が戻ってくると言う約束を確認されています。すなわち、彼らがすることは悪あがきすることなく、70年をその地で耐え忍ぶことです。そうするなら彼らは戻ってこれるだけでなく、神殿も主の方法によって再建されます。
しかし彼らはこの十日間でエジプトに下ることを決めてしまっています。彼らはエレミヤに本当に困って指針を求めてきたのではなく、自分たちの考えの確認の意味でやってきたのでは無いかと思います。
主の御声に聞き従わない結果どうなるか、彼らは目の当たりにしていたはずですが、それでも恐れが上回り、今回も主のことばを聞けませんでした。自分たちで誓ったにも関わらずです。
彼らはエジプトに逃げますが、なんと今度はバビロンがエジプトを襲います。同じ事が繰り返されます。彼らは恐れるゆえにバビロンから逃げようとしますが、逃げれば逃げるほどそれはつきまとってきます。繰り返しになりますが、主の幸いな計画の中に留まることが救いです。そこから離れれば神の怒りがきます。主はぶどうの木、私たちはその枝です。つながるなら豊かな実を結びますが、切り離されると枯れて焼かれてしまいます。
十字架の恵みに留まるなら救いがありますが、そこから離れるなら永遠のいのちの保証はありません。
主はすべての人の心の奥底までご存じです。彼らが神に偽り、エレミヤを偽り、それに加えて自分自身をも欺いていると言うことをはっきり指摘されています。
(5)ノートに記す
文中の質問、また以下の質問の回答をノートに記しましょう。
・【観察】今日の通読箇所の内容を簡潔にまとめましょう。
・【観察】神様はどのようなお方ですか?神様のご性質や神様がどのように働かれるかを書きましょう。
・【観察】ここからどんな真理や教訓を学べますか?
・【適用】自分の生活にどのようにあてはめることができますか?
・【感謝】受けた恵みや感謝はありますか?
・【祈り】実行できるように祈りましょう。
(6)祈り
実行できるように、主に切に求めて祈りましょう。
(7)分かち合う
ページの一番下にある「コメントを残す」というところに、受けた恵みを分かち合いましょう。
主の御声に従えるように祈ります。